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鈍いことは罪なのだと。

くくちには悲恋が似合うと思う。
真面目で融通がきかなくて天然で鈍チンなくくちには、手遅れの恋が似合うと思うんですよねー。
くくちは片思いをされてる感じなんで、片思いしてる感じしない。んでもって、最終的に自分の気持ちに鈍いから手遅れになっちゃってそう。そんな趣向で今回のネタ。




くくちにゾッコンだった一年くのたま主人公のラブコメからの天女乱入話。
序盤はくくちと夢主の微笑ましいラブコメだったんですけど、最終的に傍観系に傾いちゃって何故かくくち悲恋のCOAオチになったっていう待ってー!なネタ。
ちっちゃい女の子が努力してる姿が、好きなんで・・・。10歳児と14、5歳と言う恋愛も好きなので・・・。
えーと、だから夢主がくくちに猛烈アタックしてたら天女が落ちてきてくくちは天女にぞっこんになっちゃて、夢主はそれでも天女さまに正々堂々ライバル宣言して、でもくくちからはもうやめろよ、なんてこと言われちゃってそれでも諦めずに頑張ってたら家から帰ってきなさいコールがくるんです。
ちなみに夢主はお姫様でした。戦の気配がムンムンになってきたので、和平のために嫁ぎなさい、と言われたんです。夢主はそれを受け入れました。元より、夢主は恋をしてもそれを捨てる覚悟をしていました。だって、お姫様ですもの。下々の、しかも忍びなんて、一緒になれるはずがないじゃないですか。
ですので、恋を捨てる覚悟をしたのです。黙って出て行っては相手も気にしてしまうでしょうから、夢主は潔く、全てを終わらせて、終わりの言葉を貰いに行きました。嫁ぐとは言えませんでしたけれど。ただ家の事情で学園を辞めるのだと告げて。くくちはそっか、とそれを受けいれて。最後の告白にも、くくちからの返事はいつも通りのお断りの返事で。それを最後に、夢主は学園をやめました。
ここでどうしてCOAオチ?となるのですが、なんていうか割愛してる中で夢主の鍛錬仲間としてCOAがいてね、そこで諸々のエピソード込みで、最終的にくくちに振られた夢主にCOAが、

「お前の嫁ぎ先は、確か○○城だったな」
「そうですけれど」
「俺を雇わないか」

的な感じでCOAが就職先を夢主のお城にして、夢主を追いかけることにしたんです。
夢主としては思惑がわかるようなわからないような感じですが、どうせ雇うのならばとびっきり優秀でなくては使えませんわ、と言ったり。贔屓などしませんから、実力で受かりなさい、とか言ったり。
結局忍びと姫という関係ですから、どっちも報われるはずもないのですけれど。ただ、姫と臣下としてでも、傍にいることを選んだ結果です。
んでまぁ最終的に夢主がいなくなって、ある意味それでも変わらぬ日常で。くくちは天女さまと付き合うようになって、COAは今まで以上にギンギンに鍛錬を始めて。
あぁ、けれども狂ってきたのは、誰の心だったのでしょう。毎日に違和感を覚えたのはくくちでした。
いつも突撃してきていた相手がいないからだと思っていたのでしょう。もう学園にはいないので当然ですが。
あぁそれでも懐かしいな、手紙でも遣せばいいのにな、そういえばあいつの実家はどこだっけな。そんなことを考えながら、そういえば俺はあいつのことを何も知らないな、と気がつくのです。気がつくと、なんだか妙に気になります。あいつの家はどこだっけ、友人に聞くも知りません。可笑しな違和感。恋人との間もなんだかちょっと、噛みあわないことが増えてきた、そんな日々でふと、ぼんやりしているくくちに仙さまともんじが声をかけました。何か悩み事か?と。声をかけるとくくちは曖昧に濁すも、ふと思いつきで二人に聞きます。夢主がどうしているか知っていますか?と。仙さまは眉を潜め、もんじは顔を顰めてその場から離れます。不思議に思う久々知に、仙さまは肩を竦めて、

「なんだ、お前知らなかったのか」
「・・・!先輩はご存知なのですか?」
「一応はな。あれはどこぞの城に嫁いだぞ」
「・・・え?」
「十とはいえ、姫だったからな。仕方あるまい、お家事情というものだ」
「ひめ・・・?」
「どこの城だったかは文次郎の方が知っているだろうな。それにしても、お前、自分を好いていた女のことぐらい、もう少し興味を持ってやったらよかったものを」

まぁ私には関係ないがな、と言い捨てて去っていく仙さまと残されたくくち。くくち悶々。やがてもんじに突撃するも知ってどうするとばかりに門前払い。仙さまちょっと愉快。
そんな感じで月日が流れてやがて心がかみ合わなくなった天女とくくちは破局して、卒業して、そして、未来。
任務先で、くくちは夢主と再会しました。そこで、もんじとも再会しました。夢主の命を奪おうとしたくくちと、それを阻止したもんじと、そんな、どうしようもない再会でした。



も一つネタは、現代で死んで転生した少女とくくちと天女さまのお話。
夢主には現代で恋人がいまして、それがくくちにとってもそっくりで、瓜二つのくくちが実は彼のご先祖なんじゃないかと思いながら思いを寄せちゃいまして。割といい感じで付き合うまであと少しだったんですけどね。
天女さまが落ちてきて、くくちはそっちにいっちゃって。夢主は勿論ショックなんですけど、でもふと思うんです。
自分がくくちと結婚して子供ができて、はて。それで私は将来彼に出会えるのかしら?と。
ここにいる自分と彼で、ちゃんとあの未来が作れたのかしら?と。もしかしたら、これが正しいあり方で、くくちは天女と結ばれることで、あの未来になるんじゃないかしら?と。
夢主は悩んで悩んで悩んで悩んで。今のくくちを選ぶのならば、天女さまから奪い返さないといけません。だけれども、それをしてあの未来がなくなったらどうしよう?と。悩んで苦悩します。どっちも好きでした。どっちも大切でした。今を選ぶのか、未来を選ぶのか。生まれ変わった記憶を持つ少女は悩んで悩んで、そうして。
天女さまが光によって連れ帰されそうになるそんなとき。くくちが必死にその遠ざかる腕を掴もうとしたとき。夢主は、自分が身代わりになることを、選びました。
夢主は、今よりも、未来の幸福を、未来の彼を、恋人だったあの人を、選んだのです。
あぁだって、夢主がくくちを好きになったのはくくちが彼によく似ていたからです。今の自分の記憶、あの日の幸福、恋心、全部全部、それは未来の彼への気持ちでした。あの幸せを、なくしてしまうなんて!
夢主は天女の身代わりになって、光の中へと消えていき、くくちは呆然と天女をその腕に抱いて。
あぁそうして、二度と会えなくなったことに気がついて、そうして、絶望するのでした。


普通なら今を選ぶだろうけれど、未来を選んだ夢主と未来に破れた今の男のお話。


 

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