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「弟子に甘い師匠です」

「ねぇ、知ってます?ヤムチャさん」
「なんだよ、クリリン」
「透子はさ、ピッコロが可愛がってる弟子は悟飯だけだと思ってるんですよ」
「・・・は?」

 そういって、遠い目をした戦友の鼻のない横顔をポカンと見やれば、やれやれ、とばかりに肩を竦めた。

「この前神殿に行ったときに、まぁ、いつものごとくピッコロと一緒に修行してる悟飯を見かけたんですけど」
「あぁ」
「それでまぁ、透子もいたわけなんですけど。こっちは修行に参加はしてなかったけど」
「透子ちゃん、体調よかったんだな。この前また熱出してたんだろ?」
「熱も引いて気晴らしに出てたらしいです。気晴らしの先が神殿な辺り、あの二人っちゃ二人らしいですけど悟空の子供とは思えないですよね。性格もだけど」
「あの家でどうやったらあんなまともな子が育つんだろうな・・・って、まぁそれはさておき。それで?」
「あぁ、それで。まぁ、一人でぼんやりと二人を見てるもんだから、話しかけたんですよ。退屈だろうと思って」
「ふんふん」
「それで、話の流れで悟飯とピッコロの仲の良さになったわけなんですけど、透子ちゃんがピッコロさんは悟飯に甘いですからねぇ、って言ったんです」
「周知の事実だな。本人認めてないけど」
「いやまぁそうなんですけど。そこで俺は言ったんです。透子ちゃんにも甘いだろって」
「・・・なんとなく先が読めた。で?」
「『悟飯とはレベルが違いますよー!ピッコロさんの悟飯への目のかけ方半端ないですもん。』」

 その声真似全然似てないぞ、と突っ込むべきか否か。変に高くした声で精一杯の声真似を披露するクリリンに微妙に渋い顔をしながら、ヤムチャは先ほどクリリンがしたように遠い目をして、カプセルコーポレーションの庭先で、和気藹藹とバーベキューを突いている面子を見やった。

「透子ちゃん、自覚してないんだな」
「恐ろしいことに、自覚してないみたいなんですよ」
「あれだよな、ピッコロが悟飯に目をかけているように見えるのは、悟飯自体がピッコロに寄ってるからってこともあるよな」
「基本的に透子ちゃん、一歩引いてるところありますからねぇ。そこから客観的に見てれば、そりゃ悟飯に構うピッコロばかり見ちゃいますよね」
「でもなぁ」
「でもねぇ」

 二人で声を揃え、同時に視線を横に流す。その先には、やっぱり集団からちょっと引いたところで、大人しくバーベキューを突く少女の姿と、もう一つ。

「透子」
「はい?なんですか、ピッコロさん」
「・・・風が出てきた。これでも羽織っていろ」
「わ、ありがとうございます」
「それと、読みたがっていた本が見つかったが、どうする?」
「本当ですか?それ、悟飯も読みたがってたんですよ。そうですね・・・今度の日曜日に取りに行きますから、ポポさんにもよろしくお伝えください」
「そうか」

 横に並んで寄り添うように、決して遠くない距離でにこにこと和やかな空気を振りまく姿に、地球人二人ははぁ、とため息を零した。

「あのピッコロが、催促もされずに上着出すだけでも特別扱いだよな」
「おまけに微笑みつきで、本の貸し出し」

 まず、他の人間相手じゃありえない光景なのは間違いない。それこそ悟飯か、デンデ相手ぐらいだと考えても・・・・十分に、「ピッコロがべた甘な弟子」そのものである。
 ついでに言えば、透子がピッコロに何か願いをした場合の達成率はほぼ100%である。まぁ、もとよりそんな無茶なお願いなどするわけではないことも要因の一つではあるとはいえ、それでもあのピッコロが何も言わずに叶えるのだから、その目のかけようは言わずとも知れるというもの。だというのに、本人にはその自覚は皆無だという。近くにあからさまに目立つ双子の兄がいるからなのか、それとも自己評価が低いのか。恐らくどっちもだろうな、と思いながら、二人はビールの入ったグラスをかつん、と高い音をたてて合わせた。

「「自覚してないって、怖いなぁ」」

 別段何が困るわけでもないのだけれど。自覚があろうとなかろうと、そりゃあ別に問題はないわけだけど。傍から見れば十分ベタ甘な事実に、彼女が気づく日は果たして来るのだろうか。









そんなDBのもしも話。悟飯ちゃんがよくピッコロさんに寄りつくし、基本的に傍観主は闘わないので修行もせず。結果コミュニケーションを取る機会は少なそうなんだけど、なんだかんだ結局可愛がられてるって感じかな?案外瞑想しているピコさんの近くに座って本やら刺繍やらやってのんびりしてそうだとも思ってますけど。
悟飯ちゃんとはまた違うピコさんの癒しなんじゃないかなー。孫家双子に甘いピコさん押しです。この二人を使えばピコさん動かすのもそんなに難しくないんじゃないかしらん?





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