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「IF海賊~鷹の目編~」

 目の前にはパックリと真っ二つに折れた・・斬れた?まな板と調理台。食べ物こそ等分にされてはいるがまさしく「二等分」でしかなく、ここからもっとこう細かい切り方をね?と思いつつ、私は目の前で仁王立ちしながら無表情に、そして本人は恐らく意識せずにやたらと鋭い眼光で見下ろしてくる保護者を見上げ、溜息を殺せなかった。

「・・・料理、したことないんですか?」
「する必要がない」
「・・・海の上で、どうやって生活していたんですか・・・?」
「魚と野菜があれば十分だろう」
「・・・冷蔵庫の意味は・・・?」
「食物の保存だろう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・とりあえず、ジュラキュールさん、片付けるんで、出て行ってください」
「・・・・・・うむ」

 軽い頭痛を覚えながら、出口はあちらです、とばかりに手で指し示せば、さすがにこの現状で反論する気は起こらなかったのか素直に台所から出て行く大剣豪。鍔広の帽子と無駄に翻るコートが鬱陶しい、と思いながら、しかしこれどうしよう、と眉を下げた。・・・幸い、真っ二つになったのは調理台だけでコンロに支障はなさそうなので、食材はテーブルで切って、適当に何か作ろう。
 真っ二つに斬れてしまっているまな板は・・・・まぁ、ミニまな板とでも使えそうなぐらい鮮やかな切り口なので一応使わせてもらおう。一方は野菜用で一方は肉用にでもして、再利用決定。大きめのまな板だし、十分使える。切れ込みの入った調理台はどうしようもないので、次に上陸する時にでも修理・・・いやこれは取替えの方が手っ取り早いか。まぁそこらの資金諸々は当人が出すだろうし関与することではない。
 そして華麗に真っ二つになっている食材は、適当にぶつ切りにして使うとして。散乱しているボールやらなんやらは所定の位置に戻して・・・。ていうか料理してないって言ったくせに無駄に器具が充実してるんだが?宝の持ち腐れとはこのことだ、と思いながら彼が握ったのだろう、なんの変哲もない包丁に溜息を吐いた。

「・・・なんで包丁で調理台が真っ二つになるんだ・・・」

 彼の背中にある無駄に長大な剣ならまだしも、普通の包丁だろうに。弘法筆を選ばずってことなのかなぁ、と思いながらジュウジュウとフライパンを動かす。人外め、という悪態は今更だとしても。零れそうな溜息が、やっぱり押し殺せずに零れていった。


 蛇足だが、野菜とお米と卵とソーセージに適当な塩コショウ、香りつけの醤油でできた、決してパラパラとは言い難い家庭の炒飯は、存外ジュラキュールさんの口にあったらしいです。・・・案外庶民的なのか?この人。



 

―――――
なんとなく、第二部の行き先がロジャーさんじゃなくて現代の鷹の目だったら?的なお話です。
結果、傍観主がおさんどんになる。・・・どこいってもやるこた変わらないですね。
個人的願望で鷹の目さんが家事が壊滅的だったら面白いなーと。刃物の扱いは上手いのに、料理にだけは発揮されないぶきっちょさん。ていうか何か間違ったベクトルにいってそう。
あの人の食生活は基本外食っぽいんだもの。自分で作る料理は焼き魚か生野菜というカテゴリしかなさそう。
このあと台所はきっと「剣豪、入るべからず」という張り紙が張られそうです。
ちなみに傍観主の腕前はまだまだなので、炒飯もパラッとしたプロ級の味などは出せません。なんか家庭で作る炒飯になってると思います。ていうか基本が家庭の味になると思います。
破壊されたキッチンですが、島で降りる気満々だった傍観主に台所を選ばせて首を傾げつつ選んでる傍観主がなんだかんだ流されてそのまま船に乗せられてそうな気がしています。
・・・・キッチンは傍観主の城になりそうですね!

あと、ふと鷹の目さんの膝の上に座って(強制)、林檎の皮むきながらせっせと鷹の目に渡してる傍観主が思い浮かびました。偶にうささん林檎とか作って鷹の目が「うさぎ・・・?」とか思いつつ頬張ってればいいと思ってます。鷹の目はうさぎも作れないと思います。そんな彼が可愛い。(妄想乙!)

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