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斜め45度ぐらいで。

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正直すまんかった。※微・・・エロ・・・?

 こんなことになるなんて、考えてもみなかった。そうなるだなんて、想像すらしたことなかった。
 でも、そういえば、今までは、この人が敵だったから。決して、私の味方などではなかったから。
 この狂った繰り返しの世界で、同じ戦争を繰り返し、けれどいつだって違う戦争を繰り広げるこの世界。
 だからこれは、ある種の修正力なのかもしれない、と酩酊した頭で思う。違うのに。決して同じものではないはずなのに、それでも、世界はどこか以前と重なるような流れを押し付けてくる。私に、この戦争を幾度も押し付けたそれと同じように。それは避けられない必然か。運命か。宿命か。ならばこれは、逃げることを許されない行為、なのか。
 
 ぎしりと横たわった寝台が二人分の体重を受けて軋みをあげる。揺れるスプリングの堅さが全身に響いて息が詰まった。苦しい、つらい、熱い、気持ち悪い。ぐるぐる。ぐるぐる。抜け道が見つからない熱が体内で巡り巡って、蓄積されていくように。それなのに、まるで酸素不足の金魚のように、足りない何かに小さく喘いだ。ぐるぐる。ぐるぐる。あぁ、この感覚、覚えがある。

「けがれと、おんなじ・・・、っ」
「マスター?」

 制服のブレザーに手をかけていたサーヴァントが語尾をあげる。それに息詰まる感覚を押し殺しながら、小さく首を横に振った。なんでもない、と言葉に出すのも辛い。弱弱しい首降りに、一言そうか、と呟いてサーヴァントは再び制服のボタンを外しにかかった。ぷちぷちと一つ一つ外れていくボタン。前が広げられると、圧迫感が少しばかり軽減されて大きく息を吐く。動かせない腕を取られて袖から抜き取られると、そのまま床にでも落とされそうだったので、私はのろのろと腕をあげて傍らのパイプ椅子を指差した。

「しわに、なるから・・・」
「ふむ。その状態でよくまぁ細かいことまで気にするものよな」

 ですよねー。苦しいとは思う。辛いとも思う。気持ち悪くて、吐いてしまいそうで。けれども、それは初めての感覚ではなかった。僅かな理性が確かに存在して、冷静な己もそこにはいて。どうにもできないのに、思考回路だけはどこか正常さを持っているから、正直この状況から逃げ出したくて仕方ない。仕方ないのに、動けない。あぁ、いっそ何もわからなくなってしまいたい、ときゅっと眉間に皺を寄せた。
 言われるがまま、パイプ椅子にブレザーを引っ掛けたサーヴァントがこちらに戻り、ベッドの縁に腰かけてぎしりとまた音がなる。伸びた腕が頬を撫でて、指先でついと眼鏡を取り払った。ややぼやけた視界に、赤い髪の色が一層の鮮やかさをもって視界に広がった。―――あぁ。
 思わず目を閉じた。見たくなかった。見ていられなかった。これは、辛い。辛い、苦しい。体が、ではない。胸の内が、悲鳴をあげそうだ。

「・・・お主は、よくそのような顔をするな」
「・・・?アサシ、んっ」

 低い声が聞こえた。どこか呆れたような、不愉快そうな、心配するような。囁き声に、見たくないとは思いつつも薄らと開きかけた目を、ぬるりと唇を覆った感触に再びきつく閉じた。柔らかい何かが押し付けられて、下唇を食まれる。ぞわりと背筋を走ったのはなんだったのか。
 唇の割れ目を舌が辿り、隙間にねじ込むように押し込んでくる。咄嗟に歯を喰いしばったのは本能か。慣れない感覚に眉根を寄せつつ薄らと目を開けると、至近距離でこちらを見つめる隈取をされた目と合った。まさか見られているとは思わなかった。目を丸くすれば、逆に相手の目は細められる。瞬間、腹部に直接暖かい何かが触れた。するりと服の下に潜り込んだ大きな手の感触にびくんと体が跳ねる。反射的に声を出そうとしたのか、口を開くと、酸素の変わりに別のものが入り込んで、息が詰まった。びくっと腹筋に力が入ったが、宥めるようにそこを撫でられても、もはやどうしたらいいかわからない。

「んっ、ふっ」

 僅かに呼吸の合間、離れた隙間からなんともいえない息が零れて眩暈がする。酸素が欲しくて口をあけるのに、それをすぐに塞がれては息もできない。くらくらする。ただでさえ気持ち悪いし熱いし辛いし苦しいのに、追い打ちをかけられているよう。苦しげに眉を寄せると、くくっ、と噛み殺したような笑い声が聞こえた。そして、ぬるりと口腔内を動き回っていた舌が抜けて、アサシンとの間に僅かばかりの距離ができる。けれども、やはり彼の顔は近くて、視力のせ「いなのか涙のせいなのか、それとも近すぎるのか・・・滲んで見える彼は愉快そうに眼を細めた。

「こういう時は、鼻で息をするものだ。初めてか?お主」
「・・・・っ」

 何も言えない。言われた内容もされた行いも、全て私には過ぎたものだ。この身に降りかかるとは考えてもいなかったことだ。言葉に出きずにいると、アサシンはくっくと喉を震わせて、やんわりと頬を撫でてきた。

「マスター、そのままだ」
「え?」
「何も見るな、何も考えるな。これは施工だ。お主の中の魔術回路を正すだけの行いだ。だが――」

 そこで、アサシンは言葉を切る。代わりに、腹部を撫でていた手が、するりと這い上がってきた。何かの線を探るように、つぅ、と指先で胴を撫でていく。ぞわりと背筋を泡立たせると、指先が胸部にかかり、下着越しに大きな手が胸を覆った。ひくん、と喉が震えた。

「そのまま―――儂だけを見ておれ。これから行うことだけど、感じていればいい」
「な、にを・・・・ひぅ?!」

 胸を覆っていただけの手が、やわやわとまるで感触を確かめるように指を動かしてくる。布一枚、隔てているだけの。直接、触られたわけでもないのに。それでも、大きな手の中でそれは形を変えていく。自分の手じゃない、別の手で。考えれば、もうダメだった。

「う、あ、や、やだ・・・っ」
「マスター」
「アサシン、やめ、おねが、やめて・・・っ」
「マスター」

 拒絶は、至極当たり前のことなのだろう。頭で理解はしていたし、そうするしか術はなかった。同意のはずだった。仕方ないと諦めたはずだった。あぁ、でも、やっぱり。

「無理、だよぉ・・・っ」

 
 じわりと、浮かんだそれを。アサシンは、なぜかひどくいとおしそうに。べろりと、舐めとった。

「マスター。無理と言われても、最早どうにもなるまいよ」
 

 くつり。愉快気な笑い声は、どこか満足そうにも、聞こえた。








もうどうしたらいいかわからないよ!\(^o^)/






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