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第一話「龍の神子!?変身って、・・・マジやめて!?」

「君たちが持っているその勾玉こそ、選ばれた戦士である証拠コマ!」
「さぁ、早くこの『神子の姿見』に、その勾玉を嵌めて伝説の龍神の神子になるシシ!」

 よくわからんマスコットもどきの謎生物にそんなわけのわからない勧誘を受けながら、背後で暴れるやっぱりわけのわからない怪物の雄叫びをBGMに、私たちは遠い目をして、遥か彼方を見つめた。
 あぁ・・・どうしてこうなった。よもやフラグが数年前から立っていたとはまるで予想外である。周りが色々と急かす中、現実逃避のように、私は今日という人生最良の日と呼んでも差し支えの無かった一日を、走馬灯のように振り返った・・・。







 桜咲学園。我が地元に大きく構えるその学園は、小中高と一貫性の町が見渡せる小高い丘の上に立つ、その名の通りに多くの桜の木々に囲まれた学校である。
 春先、桜咲学園の周りは鮮やかな薄紅に囲まれ、豪華絢爛な桜の舞台へとその様を変える。ちなみに学園からやや離れた場所では一般の方々のお花見も繰り広げられるわけだが、まぁ一応そこら辺は学園の敷地外となっている場所なので問題はないらしい。ただ度がすぎると注意が入ったりする。学生への悪影響となるからね!
 さておき、そんな桜の名所とも名高い学園は、本日、入学式を迎えることとなり、桜はまるで初々しい新入生を歓迎するかのようにその姿を誇らしげにそよ風に揺らし、桜吹雪によって出迎えていた。そんな姿に歓声をあげつつ、ドキドキと胸を高鳴らせながら新生活に胸躍らせる可愛らしい学生たち・・・の中でまた中学生やるのかーとなんともいえない複雑な心境で並木道を歩く私、こと人生果たして何回目?魂年齢は企業秘密な中村透子は小学校からの繰り上がり組なので実はさほど新生活に胸を高鳴らせる必要がなかったりする。
 だって大半見知った顔である。まぁ外部入学組もいるので全く同じ面子ではないし、逆に外部に受験した子もいるのでちらほら入れ替わりもあるわけだが、でも大体同じ顔ぶれがそろうのが一貫性の学校の特徴だよね。
 というわけでのんびりと景色を眺めつつ通い慣れた道を歩いていくと、やがて大きな校門がそびえ立つ姿が目に入る。校門は小中高と共通なので、学生の姿も多岐にわたりながら、制服のスカートをひらりと揺らす。校門を潜り抜けると、それぞれの校舎に向かって別れていく生徒の波。クラス分けの掲示板やら新入生のコサージュなどやら、それぞれの校舎前、玄関口で行われるのだろう。勝手知ったるわが母校、とばかりに、戸惑う新入生(恐らく外部組)を尻目に中等部に足を向けると、その迷いのない足取りに気が付いたのか、きょろきょろと辺りを見回してた女子生徒の一人が、あの!と声をかけてきた。

「すみません、中等部の校舎はどこですか?!」

 割と必死目に声をかけられたので無視もできず、いやさすがに迷ってる子が声かけてきたら無視はしないけれども、結構必死な様子だったので、僅かに目を見開きながら振り返る。
 もしかして結構長いこと迷っていたのか?まぁ慣れない人にはこの学校も大概広いし校舎なんてどれも似たり寄ったりな造りだからわからなくなるのも頷けるが。一応案内板とかも、この時期には立っていたりするんだけど・・・まぁ同じ中等部なら一緒に行けばいいだけだしなぁ、と思いつつ振り返り様相手の顔を見る。瞬間、今度は声をかけられた時の比ではなく、大きく目を見開いた。ざああ、とタイミングよく桜が風に煽られ、花吹雪が周囲を覆い尽くす。薄紅がちらちらと舞い散る中、お互い、絡み合った視線が逸らせないかのように、見つめった。
 呼び止めようと思ったそのまま片手をあげて、学園の真新しい制服に身を包む少女。スクールバックを横掛けにかけて、ポカンと呆けた顔をしているその姿を呼吸も忘れたように息を飲んで見つめる。今、自分の耳には周りの喧騒も遠い。ひどく静かな、一時の間。やがて唇を震わせて、信じられないものを見たとばかりに少女は恐る恐る口を開いた。

「透子・・・?」

 確認するように、どこか自信なさげに名前を呼ばれる。記憶にある声とはやはり微妙に違う気もするが、窺うような上目使いには見覚えがあった。何より、こんなにも不安そうで、それでいて期待に満ちた声。私には、一人しか思い浮かばない。

「・・・空」

 答えるように、目の前の少女の名前を呼ぶ。間違いない。そんな確信をこめて、目元を和らげれば、少女・・・前世からの長い付き合いであり、今生では幼馴染にあたる、ある意味腐れ縁といっても差し支えのない彼女は、確信を得て、その相好を崩した。

「うわぁああ!!透子、久しぶりーーー!!」
「久しぶり!てかいつ帰ってきてたの!?」
「一昨日!まさか初っ端で透子に会えるなんて思わなかったっ」
「私もまさか空がいるとは思わなかったよ。帰ってくるなら一言言ってくれればよかったのにっ」

 言いながら、飛びついてきた空をおもいっきりハグをして、人目憚らずきゃあきゃあと戯れる私たちは、恐らくいやきっと、不審な目で見られている。だがしかししょうがあるまい。
 なにせ前世からの付き合いも深い相手との再会だ。空は今生では幼馴染ではあるが、家の事情で確か八つかそこらの時に県外に引っ越してそれっきり会えていないのだ。
 手紙だの電話だのやり取りは節目節目に交わしていたが、直接となると話は別。帰ってくるなら帰ってくるで一言いうべきだろう!全く、この子は!

「いや、透子驚かせようと思って」
「もう、空は・・・。まぁいいや。それで?驚かせようとして学校で迷ってるの?」
「いや、その、下見はしたんだよ?受験だってしにきたわけだし・・・ただその、この学校広くない!?」
「小中高一貫性だからねぇ」
「しかも制服入り乱れてるし、桜もなんか似た感じで植えられてて景色も似たり寄ったりでさぁ」
「それで方向がわからなくなったと」
「外部に優しくないよこの学校」
「案内板はあるよ?」
「マジで!?」

 ほらあそこ、とぐちぐちと文句を連ねた空に示すように指を向けると、バッと勢いよく振り返った空がでん、と立つ案内板を見つけて、あんぐりと口をあけた。
 しばらくの沈黙の後、彼女は視線をそろーと外し、ぎくしゃくとした仕草で小首を傾げる。てへ☆

「迷子になってテンパった?」
「返す言葉もないっす・・・あぁもう透子!案内してぇっ」
「はいはい。まぁ時間もそろそろあれだし。教室行こうか。同じクラスだといいねぇ」
「この流れならきっと同じになると信じてる」

 確かに。ここでクラスが別になっても・・まぁそれはそれでしょうがないけど、流れ的には同じになるところだよね。握り拳をした空にくすくすと笑いながら、やや人気も薄れてきた場所を、私は空の手を引いて歩き出した。








第一話の触り的な感じですね。
とりあえず学校に入学して再会した幼馴染という設定で。
このあと敵が出てきたり変身しちゃったりしながら波瀾万丈に巻き込まれていく・・・というのが第一話の内容ですよね。
言うほど設定を煮詰めてないけど()敵と遭遇シーンまで書いて変身したいなぁと思いながら、そこまで気力が続くかどうか?


とりあえず口上台詞と二人協力技だけどん


「音も無く降り積もる、浄めの雪―――白き龍の神子、白雪!」
「ひらひらと舞い踊る、誘いの蝶―――黒き龍の神子、黒蝶!」
「穢れし哀れな魂よ」
「龍の導きに、従いなさい!」


オート台詞。勝手に出てくるのでホントどうにかしてほしいと思ってる。


「吠えろ、白龍!」
「轟け、黒龍!」
「「貫け、双龍咆哮波!!」」


メッチャ少年漫画系技名で「ニチ朝ヒロインじゃないんかい!!」って突っ込みをしたい。
ごめん横文字は無しにしてみようと思ったらすごい雄々しいことになった。てへぺろ★

















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