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「リアルはきつい。これ真理」

「大変コマ!オンリョーウが出たコマ!」
「早く行かないと町が大変なことになるシシ!透子、空!」

 空から突然降ってきた二対のやたらデフォルメされたもふもふの動物もどきが、血相を変えて伝えに来た内容に、二人そろって物凄く嫌そうな顔をしてため息を吐き出した。
 それはもう深い深いため息は、心底から行きたくない、という心情を表している。
 しかしそこは動物だからなのかそれとも神様の御使いだからなのか、それとも大人の事情による諸々なのか、見事なまでに一切に気づかずスルーをかまし、早く行くコマ!シシ!と急かす様に、諦めたように二人の目が死んだ魚のごとく濁った眼を晒す。それ正義の味方がしちゃいけない類、というツッコミはもはや二人には届かない。しょうがない。純粋に正義の味方を喜べる年齢はとっくのとうに過ぎ去ったのだ。ここにいるのはある意味で酸いも甘いも苦いも辛いも極めた精神年齢〇〇才、肉体年齢現役女子中学生の某名探偵ちょっと成長バージョンの二人である。
 何故よりによってニチ朝枠なの、という嘆きは多分第一話ぐらいで使い果たした。

「・・・逝こうか、透子」
「・・・逝くしかないね、空」

 漢字がちょっとアレなことも、狛犬もどきを模したマスコットキャラ枠の二匹には通じない。
 ちなみに角がない方が獅子を模したマスコットで、角がある方が狛犬を模したマスコットである。今日では獅子も狛犬もどっちも含めて狛犬と称しているが、本来ならは獅子と狛犬がワンセットである。略して角がない形の狛犬が多いけど、それは実際は獅子の形なんだよ!というのは余談だ。さておき、最早悲壮ともいえる覚悟を決めて、二人は顔を見合わせ、頷き合う。
 幸いにして周囲に人影はない。でもとりあえず見られたら確実に精神的に死ねる、とあらゆる意味で必死な二人は念入りに周囲を探り、誰もいないことをしっかりと確認してから、すっと制服のポケットに忍ばせていた白と黒の勾玉を取り出し、互いにパートナーとなるマスコットに手を差し伸べた。

「コマ・・」
「シシィ・・・」
「任せるコマ!」
「待ってましたシシ!」

 やたら低いテンションで名前を呼ばれたのに、それにそぐわないハイテンションで答えた二匹の首から下げている鏡が光を放ち、それぞれが首輪から離れ、透子と空の前にシュン、と音をたてて現れた。それを手に取り、キラキラと輝く周囲に負けない声音で、二人が叫ぶ。

「巡れ、天の声!」
「響け、地の声!」

 叫びながら、鏡の下部にある窪みに勾玉を嵌めこむ。瞬間、鏡から白と黒の光があふれ、まるで蛇のようにうねりながら、二人の少女の体を巡り始めた。指先に光が絡みつけば、パン、と光が弾ける音と共に手袋に包まれた指先が現れる。足も、胴体も、頭部も、全てに光が絡みついていけば、本来の姿からかけ離れた姿は幻想的な演出で書き換えられていく。ふわり、と、スカートの裾を翻し、かつんと、靴先が地面に触れたところで、変身は終わった。きらきらのエフェクトが名残のように二人の周囲に舞い飛び、ゆっくりと瞼が開く。

「白き龍の神子、白雪!」
「黒き龍の神子、黒蝶!」

 謎アイテム(マスコット曰く神様の力が宿った聖なるアイテム)により半ばというか完全に強制的な口上を、やっぱり強制的に言わされながら、互いに決めポーズがびしぃ、と決まった。とりあえず内心の「いっそ殺してくれ」という嘆きはお互い以外には届かない。いつか神様張ったおす、と誓う心はやっぱり正義の味方には向かないと思うが、さておきこの羞恥プレイはまだ終わらない。
 これから敵の前に行って、決め台詞というか前口上というか、ともかくももうワンフレーズ言わないといけなかったりする。いっそ無言で不意打ち食らわして即行で終わらせたい。
 そう思いながら、二人は互いの変身後姿を眺め、改めて実感した。

「見てるだけが幸せだよね」
「それな」

 コスプレだけならまだいいが、これがリアルな戦闘衣装だからわろえない。違うんだ、コスプレとガチは違うんだ。金に染まった自身の髪を弄り、消えたい・・・と呟く透子に、蒼い髪に染まった自分の髪をかき乱して、空がぽんと肩を叩く。

「即行で終わらせよう」
「そうだね・・・」

 最早それしか、自分たちに残された解放される手段はないのである。
 下手に長引けばそれだけこの姿でいる時間が長くなる。開き直ってテンションあげるのも手ではあるが、できるならあんまりこの恰好でいたくない。でもテンション高くしていかないとやってられないのも事実。だって必殺技とかあるし。大体それ技名叫ぶし。無言でぶっぱは許されない、悲しい縛りプレイである。
 早く行くコマ!と急かすマスコットに、わかってるよ!と空が言い返して、二人は毅然と顔をあげた。


「お前らがこんなことしなけりゃこうならなかったんだよ!!」
「地獄の底で大人しくてしといてよマジで!!」


 そうしてどこにぶつけるにも迷う憤りを拳に乗せて、今日も二人の神子の怒りと嘆きと羞恥の絶叫が、混沌なる町に響くのであった。









魔法少女になった傍観主と跳躍主でしたー。
ぷりきゅあ見てたりぷりやみてたら何か書きたくてでも書けなくてそしたら久しぶりにコラボを目撃したので二人にやらせたらやるせないことになった。
コスプレとリアルは違うよねって。まぁ二人なら和風系だし、遙か要素も混ぜてこう・・・ね?
口上台詞はもっと誰か考えてくれるといい。私にそういうセンスはなかったですよ・・・和風縛りであんまり横文字はあれかな?と思うとあんまり浮かばなくて。
世界を怨念渦巻く暗黒の世にするために復活した悪の親玉と闘うために龍神様の力を借りて二人の少女が立ち向かうそんなストーリーですよ。
マスコットは神社とか寺にいる狛犬の「コマ」と獅子の「シシィ」で。名前のセンス?単純が一番だよ。(考えるのが面倒だったとかそんな)
変身後の二人の名前は横文字は使えないなーと思ったので、遙か1で黒龍の神子の蘭ちゃんが蝶を使ってたので、跳躍主の方を黒蝶、遙か4で千尋ちゃんの浄化の力が白い雪みたいな描写だったので傍観主を白雪にしました。ここだけちょっと真面目に考えた。
敵の名前は「オンリョーウ」。幹部の名前は「翁」とか「童子」とかなんか能面にあるような名前にしようかなと思ってる。親玉の名前は・・・般若とかでいいんじゃないかな。
ごめんあんまり深く設定は考えてない。いや考える必要もないんだろうけど(笑)
追加キャラはいないので、ふたりはぷりきゅあ的に二人だけで戦いぬくことになるだろうと思います。パワーアップアイテムは四神じゃないかな。
三種の神器の勾玉と鏡が変身アイテムなら、剣が武器アイテムなのかなー。跳躍主が剣で傍観主は弓とかでもいいかもしれませんね。追加アイテムは扇とか竜笛とか?
そんなこと考えながら、そろそろGoプリが終わるなーと思っています。
ごめんねしお様!馬鹿なこと考えて!でもちょっと楽しかったです!



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