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「君たちが持っているその勾玉こそ、選ばれた戦士である証拠コマ!」
「さぁ、早くこの『神子の姿見』に、その勾玉を嵌めて伝説の龍神の神子になるシシ!」
よくわからんマスコットもどきの謎生物にそんなわけのわからない勧誘を受けながら、背後で暴れるやっぱりわけのわからない怪物の雄叫びをBGMに、私たちは遠い目をして、遥か彼方を見つめた。
あぁ・・・どうしてこうなった。よもやフラグが数年前から立っていたとはまるで予想外である。周りが色々と急かす中、現実逃避のように、私は今日という人生最良の日と呼んでも差し支えの無かった一日を、走馬灯のように振り返った・・・。
※
桜咲学園。我が地元に大きく構えるその学園は、小中高と一貫性の町が見渡せる小高い丘の上に立つ、その名の通りに多くの桜の木々に囲まれた学校である。
春先、桜咲学園の周りは鮮やかな薄紅に囲まれ、豪華絢爛な桜の舞台へとその様を変える。ちなみに学園からやや離れた場所では一般の方々のお花見も繰り広げられるわけだが、まぁ一応そこら辺は学園の敷地外となっている場所なので問題はないらしい。ただ度がすぎると注意が入ったりする。学生への悪影響となるからね!
さておき、そんな桜の名所とも名高い学園は、本日、入学式を迎えることとなり、桜はまるで初々しい新入生を歓迎するかのようにその姿を誇らしげにそよ風に揺らし、桜吹雪によって出迎えていた。そんな姿に歓声をあげつつ、ドキドキと胸を高鳴らせながら新生活に胸躍らせる可愛らしい学生たち・・・の中でまた中学生やるのかーとなんともいえない複雑な心境で並木道を歩く私、こと人生果たして何回目?魂年齢は企業秘密な中村透子は小学校からの繰り上がり組なので実はさほど新生活に胸を高鳴らせる必要がなかったりする。
だって大半見知った顔である。まぁ外部入学組もいるので全く同じ面子ではないし、逆に外部に受験した子もいるのでちらほら入れ替わりもあるわけだが、でも大体同じ顔ぶれがそろうのが一貫性の学校の特徴だよね。
というわけでのんびりと景色を眺めつつ通い慣れた道を歩いていくと、やがて大きな校門がそびえ立つ姿が目に入る。校門は小中高と共通なので、学生の姿も多岐にわたりながら、制服のスカートをひらりと揺らす。校門を潜り抜けると、それぞれの校舎に向かって別れていく生徒の波。クラス分けの掲示板やら新入生のコサージュなどやら、それぞれの校舎前、玄関口で行われるのだろう。勝手知ったるわが母校、とばかりに、戸惑う新入生(恐らく外部組)を尻目に中等部に足を向けると、その迷いのない足取りに気が付いたのか、きょろきょろと辺りを見回してた女子生徒の一人が、あの!と声をかけてきた。
「すみません、中等部の校舎はどこですか?!」
割と必死目に声をかけられたので無視もできず、いやさすがに迷ってる子が声かけてきたら無視はしないけれども、結構必死な様子だったので、僅かに目を見開きながら振り返る。
もしかして結構長いこと迷っていたのか?まぁ慣れない人にはこの学校も大概広いし校舎なんてどれも似たり寄ったりな造りだからわからなくなるのも頷けるが。一応案内板とかも、この時期には立っていたりするんだけど・・・まぁ同じ中等部なら一緒に行けばいいだけだしなぁ、と思いつつ振り返り様相手の顔を見る。瞬間、今度は声をかけられた時の比ではなく、大きく目を見開いた。ざああ、とタイミングよく桜が風に煽られ、花吹雪が周囲を覆い尽くす。薄紅がちらちらと舞い散る中、お互い、絡み合った視線が逸らせないかのように、見つめった。
呼び止めようと思ったそのまま片手をあげて、学園の真新しい制服に身を包む少女。スクールバックを横掛けにかけて、ポカンと呆けた顔をしているその姿を呼吸も忘れたように息を飲んで見つめる。今、自分の耳には周りの喧騒も遠い。ひどく静かな、一時の間。やがて唇を震わせて、信じられないものを見たとばかりに少女は恐る恐る口を開いた。
「透子・・・?」
確認するように、どこか自信なさげに名前を呼ばれる。記憶にある声とはやはり微妙に違う気もするが、窺うような上目使いには見覚えがあった。何より、こんなにも不安そうで、それでいて期待に満ちた声。私には、一人しか思い浮かばない。
「・・・空」
答えるように、目の前の少女の名前を呼ぶ。間違いない。そんな確信をこめて、目元を和らげれば、少女・・・前世からの長い付き合いであり、今生では幼馴染にあたる、ある意味腐れ縁といっても差し支えのない彼女は、確信を得て、その相好を崩した。
「うわぁああ!!透子、久しぶりーーー!!」
「久しぶり!てかいつ帰ってきてたの!?」
「一昨日!まさか初っ端で透子に会えるなんて思わなかったっ」
「私もまさか空がいるとは思わなかったよ。帰ってくるなら一言言ってくれればよかったのにっ」
言いながら、飛びついてきた空をおもいっきりハグをして、人目憚らずきゃあきゃあと戯れる私たちは、恐らくいやきっと、不審な目で見られている。だがしかししょうがあるまい。
なにせ前世からの付き合いも深い相手との再会だ。空は今生では幼馴染ではあるが、家の事情で確か八つかそこらの時に県外に引っ越してそれっきり会えていないのだ。
手紙だの電話だのやり取りは節目節目に交わしていたが、直接となると話は別。帰ってくるなら帰ってくるで一言いうべきだろう!全く、この子は!
「いや、透子驚かせようと思って」
「もう、空は・・・。まぁいいや。それで?驚かせようとして学校で迷ってるの?」
「いや、その、下見はしたんだよ?受験だってしにきたわけだし・・・ただその、この学校広くない!?」
「小中高一貫性だからねぇ」
「しかも制服入り乱れてるし、桜もなんか似た感じで植えられてて景色も似たり寄ったりでさぁ」
「それで方向がわからなくなったと」
「外部に優しくないよこの学校」
「案内板はあるよ?」
「マジで!?」
ほらあそこ、とぐちぐちと文句を連ねた空に示すように指を向けると、バッと勢いよく振り返った空がでん、と立つ案内板を見つけて、あんぐりと口をあけた。
しばらくの沈黙の後、彼女は視線をそろーと外し、ぎくしゃくとした仕草で小首を傾げる。てへ☆
「迷子になってテンパった?」
「返す言葉もないっす・・・あぁもう透子!案内してぇっ」
「はいはい。まぁ時間もそろそろあれだし。教室行こうか。同じクラスだといいねぇ」
「この流れならきっと同じになると信じてる」
確かに。ここでクラスが別になっても・・まぁそれはそれでしょうがないけど、流れ的には同じになるところだよね。握り拳をした空にくすくすと笑いながら、やや人気も薄れてきた場所を、私は空の手を引いて歩き出した。
今日の更新
◎水鏡の花 とうらぶIF編アップ
弱ペダコラボktkr!!
ていうかまさか大分前に書いた小噺から派生するとは思わなかったですwww
まなみと傍観主の跳躍主の取り合い・・・いい・・・・!傍観主は表面的には立ちはだかりますが跳躍主が望むならちゃんと一歩引きますよ!ただ無自覚な間はにこやかに邪魔しますよ!先輩だもの、ワルイ虫から後輩は守らなくっちゃ(笑)
ていうかそっかー。先輩後輩になるのかー。そういう意味では学校での時間は少ないんですよねー。でも寮が一緒だろうから密度的には変わらないのかもしれませんね。
でもこれから跳躍主が自転車部に目をつけられるかと思うと・・・!いやだってまなみをなんとなくでもコントロールできそうな人材を彼らが放っておくのかしらん?とも思うので、東堂さん辺り引き込みにきそうだなー。荒北さんはあのやり取りした後なので「気に食わねェ」みたいな感じで最初はつっけんどんな対応してそうですよね。でも多分その内色んな意味であぶなかっしい・・・むしろ巻き込まれ体質な彼女についつい手を貸す姿を見た!<◎><◎>
傍観主?つかず離れず偶に邪魔するぐらいでいいなぁと思ってます。基本的にこういうコラボの傍観主の主軸は跳躍主なので、彼女に問題がなければ我関せずだろうなぁと。同学年でないから余計にちょっと距離感を持ちつつ見守るかな。同学年ならもうちょっとわたわたおろおろしながら邪魔したり巻き込まれたりすると思う、けど・・・一個上なので、常のべったり感はちょっと難しいかもしれないなー。
とか思いながら美味しく読ませて頂きました!ありがとうございます!!
☆
話は変わって、日朝系コラボでまさかのイラスト返信を頂いたので真面目に衣装を考えてみた!
和風ベース!和風ベース!と思ったのになんか中華になった。・・・まぁ龍神様は中華ベースだからよし!
日朝系変身少女なので、乙女チックにフリルとリボンとひらひらは外せないのでそんな感じです。
あくまで落書きのシャーペン書きです!デジタルなことは一切していないのであしからず。
あとはマスコットキャラでも書ければいいのだが、ああいうデフォルメ系ゆるキャラ的なデザインは難しい。そういうセンスはないのです。いや衣装センスも大概ですけどね!
というわけでがっつり顔出し系の夢主絵です。もはやただのオリキャラです(笑)
よそ様の夢主さんも巻き込んでがっつりやらかしているので興味のない方夢絵系がお嫌いな方は開かないでね!
閲覧は自己責任でどぞ。
死wwwんwwだwww魚wwwwwのwww目wwwww
イラストありがとうございますーーー!!
今自分がニチ朝系に嵌ってるせいで犠牲になった二人ですwww
魔法少女ものはシリアスでもシリアルでもどっちでもいいから一本書きたくて書きたくて。
需要がないことはわかってるんですけど(オリジナルになりますからね)、とりあえず自己満足の結果ああなりました。跳躍主拉致ってやらかしたことがこれってほんとすみません・・・。
でも面白く思ってもらえたら嬉しいです!
まさか決めポーズイラスト書いてもらえるとは思わなかったですww
衣装の系統はふたりはぷりきゅあ系かな?と思いつつ、これはがっつりと衣装とストーリー考えるべきなのかしら・・・!と拳握りしめてます。
とりあえず完全に魔法少女にあるまじき死んだ顔をしている二人に合掌。そう、この笑顔も何もあったもんじゃない顔で二人とも闘ってるんですよ!!決めポーズの時が一番死んだ顔してるんじゃないですかね?
いやでもコスプレとリアルは違いますからね!コスプレはあの空間で仲間でわいわいとお遊びでやるものであって、リアルであの恰好と技名叫びながらガチバトルするものじゃないですからね!しかも一般人に目撃されるというおまけつき。うん。やりたいことではないですね^^まさに見てるだけでいいです。
全体的な流れはニチ朝系として、細かいところは何がこの二人だと起こるんだろうなぁと思いながらまず出会いから書いてみるべきかしら?と思ってます。
イラストありがとうございました!
「大変コマ!オンリョーウが出たコマ!」
「早く行かないと町が大変なことになるシシ!透子、空!」
空から突然降ってきた二対のやたらデフォルメされたもふもふの動物もどきが、血相を変えて伝えに来た内容に、二人そろって物凄く嫌そうな顔をしてため息を吐き出した。
それはもう深い深いため息は、心底から行きたくない、という心情を表している。
しかしそこは動物だからなのかそれとも神様の御使いだからなのか、それとも大人の事情による諸々なのか、見事なまでに一切に気づかずスルーをかまし、早く行くコマ!シシ!と急かす様に、諦めたように二人の目が死んだ魚のごとく濁った眼を晒す。それ正義の味方がしちゃいけない類、というツッコミはもはや二人には届かない。しょうがない。純粋に正義の味方を喜べる年齢はとっくのとうに過ぎ去ったのだ。ここにいるのはある意味で酸いも甘いも苦いも辛いも極めた精神年齢〇〇才、肉体年齢現役女子中学生の某名探偵ちょっと成長バージョンの二人である。
何故よりによってニチ朝枠なの、という嘆きは多分第一話ぐらいで使い果たした。
「・・・逝こうか、透子」
「・・・逝くしかないね、空」
漢字がちょっとアレなことも、狛犬もどきを模したマスコットキャラ枠の二匹には通じない。
ちなみに角がない方が獅子を模したマスコットで、角がある方が狛犬を模したマスコットである。今日では獅子も狛犬もどっちも含めて狛犬と称しているが、本来ならは獅子と狛犬がワンセットである。略して角がない形の狛犬が多いけど、それは実際は獅子の形なんだよ!というのは余談だ。さておき、最早悲壮ともいえる覚悟を決めて、二人は顔を見合わせ、頷き合う。
幸いにして周囲に人影はない。でもとりあえず見られたら確実に精神的に死ねる、とあらゆる意味で必死な二人は念入りに周囲を探り、誰もいないことをしっかりと確認してから、すっと制服のポケットに忍ばせていた白と黒の勾玉を取り出し、互いにパートナーとなるマスコットに手を差し伸べた。
「コマ・・」
「シシィ・・・」
「任せるコマ!」
「待ってましたシシ!」
やたら低いテンションで名前を呼ばれたのに、それにそぐわないハイテンションで答えた二匹の首から下げている鏡が光を放ち、それぞれが首輪から離れ、透子と空の前にシュン、と音をたてて現れた。それを手に取り、キラキラと輝く周囲に負けない声音で、二人が叫ぶ。
「巡れ、天の声!」
「響け、地の声!」
叫びながら、鏡の下部にある窪みに勾玉を嵌めこむ。瞬間、鏡から白と黒の光があふれ、まるで蛇のようにうねりながら、二人の少女の体を巡り始めた。指先に光が絡みつけば、パン、と光が弾ける音と共に手袋に包まれた指先が現れる。足も、胴体も、頭部も、全てに光が絡みついていけば、本来の姿からかけ離れた姿は幻想的な演出で書き換えられていく。ふわり、と、スカートの裾を翻し、かつんと、靴先が地面に触れたところで、変身は終わった。きらきらのエフェクトが名残のように二人の周囲に舞い飛び、ゆっくりと瞼が開く。
「白き龍の神子、白雪!」
「黒き龍の神子、黒蝶!」
謎アイテム(マスコット曰く神様の力が宿った聖なるアイテム)により半ばというか完全に強制的な口上を、やっぱり強制的に言わされながら、互いに決めポーズがびしぃ、と決まった。とりあえず内心の「いっそ殺してくれ」という嘆きはお互い以外には届かない。いつか神様張ったおす、と誓う心はやっぱり正義の味方には向かないと思うが、さておきこの羞恥プレイはまだ終わらない。
これから敵の前に行って、決め台詞というか前口上というか、ともかくももうワンフレーズ言わないといけなかったりする。いっそ無言で不意打ち食らわして即行で終わらせたい。
そう思いながら、二人は互いの変身後姿を眺め、改めて実感した。
「見てるだけが幸せだよね」
「それな」
コスプレだけならまだいいが、これがリアルな戦闘衣装だからわろえない。違うんだ、コスプレとガチは違うんだ。金に染まった自身の髪を弄り、消えたい・・・と呟く透子に、蒼い髪に染まった自分の髪をかき乱して、空がぽんと肩を叩く。
「即行で終わらせよう」
「そうだね・・・」
最早それしか、自分たちに残された解放される手段はないのである。
下手に長引けばそれだけこの姿でいる時間が長くなる。開き直ってテンションあげるのも手ではあるが、できるならあんまりこの恰好でいたくない。でもテンション高くしていかないとやってられないのも事実。だって必殺技とかあるし。大体それ技名叫ぶし。無言でぶっぱは許されない、悲しい縛りプレイである。
早く行くコマ!と急かすマスコットに、わかってるよ!と空が言い返して、二人は毅然と顔をあげた。
「お前らがこんなことしなけりゃこうならなかったんだよ!!」
「地獄の底で大人しくてしといてよマジで!!」
そうしてどこにぶつけるにも迷う憤りを拳に乗せて、今日も二人の神子の怒りと嘆きと羞恥の絶叫が、混沌なる町に響くのであった。